宿利原卓|ファイナンシャルプランナーが語る ランドバンキングの話。
先日北米ランドバンキング最大手W社のセミナーに参加してきました。
ランドバンキングとは一言でいうと開発予定の土地を投資家のお金で取得し、将来デベロッパーなどに売却することでリターンを狙う不動産開発を利用した投資商品になります。
ランドバンキングは償還時期が不明確という流動性リスクがあります。
では過去どれくらいの時期に償還されているのか?を詳しく聞いてきました。
まず1995年以前に販売された11のプロジェクトに関してはすでに償還済み。
1999年以前に販売された13のプロジェクトも償還済み。
2004年以前に販売された65のプロジェクトのうち40は償還済み。
2009年以前に販売された193のプロジェクトのうち10は償還済み。
2010年以降に販売された110のプロジェクトのうち3は償還済み。
償還プロジェクトの償還までの期間と利回りは
加重平均保有期間 7.24年
年間単利回り 21.56%
となっています。まだ償還されていない最長のものは2001年販売分となっています。
2009年以前に販売されたプロジェクトの償還が当初予想より遅れているのは
リーマンショックの影響により新規住宅着工数が大幅に落ち込んだ事によるものですが、最近の米国経済の回復で新規住宅着工数は順調に回復しています。
その事により2012年以降プロジェクトの償還を迎えるものが相次いできました。
具体的には2012年は10億ドル分を償還し、2013年は現時点で14億ドル分を償還しています。
ランドバンキング各社はそれぞれ企業努力を実施し、投資家への満足を得る事を目指しています。
今後も各ランドバンキング会社の動向をウォッチしていきたいと思います。