宿利原卓|ファイナンシャルプランナーが語る 為替の話
「アベノミクスで輸入品の価格があがり商売が大変だ!」というニュースを先日見ました。
以前から警笛を鳴らしていますが、株高は無条件で喜んでいいと思いますが、円安は無条件には喜べません。なぜなら日本は輸入大国であり、自国製品だけでは生活は成り立たないからです。
今までは歴史的な円高で食料、エネルギー、衣服など割安で購入できていたのですが、アベノミクスによる急激な円安が我々の身近な生活にも影響が出てきています。
今朝のニュースによると200円弁当などサラリーマンの味方である格安弁当屋が食材の仕入れ値の相次ぐ値上げで弁当価格を値上げせざると得ないとおっしゃっていました。
同業他社の動きもあるのですぐには値上げには踏み切れないが、来年4月の消費税率UP時に価格UPを検討しているとの事です。
またGWなどで海外旅行を楽しみにされている方にとっても円安は歓迎できるものではありません。
私個人の考えとして 少子高齢化や過大な国債発行残高など問題が山積みの状態で頑張っている政治家の方々を支持したいですが、自分の生活は自分で守るをモット-にしていきたいと思います。
以下 著書「自分年金作りの極意より」第3章より
そうした状況である限り、円だけで資産を保有するのは、かなりリスクがあると私は考えています。逆に円高のうちに海外に分散投資などをしておけば、かりに円の価値が大暴落して「1ドル=200円」になったとしても、実質的な価値は逆に増えているという状態を作り出すことができます。
では、どのような考え方で海外に投資していけばよいのでしょうか。
一般的なサラリーマンの生涯賃金は約2億円弱といわれています。その中の、たった1割だけでも2000万円近いお金になってきます。私は、その金額分を将来の教育資金、老後資金にしていくということを提案します。それなら毎月の給料の1割を海外投資に回していけばいいだけです。
お金の振り分けについては、効率のいい外貨への分散投資方法や、比較的安心できる投資先、オフショア地域の活用など、私たちが実際に海外に情報収集してきた中から初心者にもアドバイスができます(詳しくは次の章で述べます)。
基本的に日本人は「円」でしか稼ぎません。いま目の前に2億円あるわけではありませんが、その一部を外貨に換えていくだけでもずいぶん変わります。かりに給料の1割を日本の銀行に預金していっても、円のリスクは何も変わらないうえに利息も付きませんし、この先、超インフレ世界が待っているかもしれないのです。
ちなみに、インフレになったら実質的に借金の額が減らすことができ、国家の運営上にはプラスになるので、国や財務省的にはインフレは大歓迎です。しかし、国の借金も目減りしますが、みなさんの資産も目減りします。「日本国が大丈夫」イコール「日本国民が大丈夫」ではありません。
私の目的は、国のことはともかく、みなさんが大丈夫な状態になることです。そのためにさまざまなアドバイスをさせていただきたいと思っているのです。